介護タクシーの仕事を始めました。車いすのご利用者などをご自宅から病院へ、あるいは老人ホームからご自宅へ、依頼を受けて搬送する仕事です。電車はもちろん、普通のタクシーへの乗車も困難な方を、車いすのまま(あるいはストレッチャーで)車両にお乗せして目的地までお送りする、そんな仕事をしております。
もともと出版社に勤めていた私が、介護タクシーの存在を知ったのは、カメラマンSさんから聞かされた転身宣言が最初でした。「これから介護タクシーを始めることにしました」。2010年、出版業界の変化を肌で感じた瞬間でした。その後の状況からSさんの転身は正解だと思いましたが、当時は自分がこの仕事をやるとは思っていませんでした。
きっかけは、定年退職でした。久しぶりに会ったSさんから言われた「介護タクシーいいですよ」という一言が、頭に染み入ってきたのです。妻に「どう思う?」と聞くと、「世のため人のための仕事だね」と。この言葉に背中を押され、私も介護タクシーをやる決意をしたのでした。
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