第3回 二種免許の壁

車いすのご利用者をご自宅から病院へ、あるいは老人ホームからご自宅へ、依頼を受けて搬送する。そんな介護タクシードライバーである私の、二種免許の取得経緯を、今回は書いてみます。

介護タクシーは、普通のタクシーと同じようにお客様を目的地まで送り届ける仕事のため、運転免許は二種免許が必要です。ということで教習所探しから始めた私は、壁に当たってしまいました。都内の教習所で二種免許を取れるところが見つからなかったのです。そもそも二種免許の教習を実施している教習所は限られており、どの教習所でも取得できるわけではありません。二種免許に対応している教習所を調べ、通いやすいところから順に当たってみたのですが、なぜかどこも受付をしていません。

ようやく一軒、WEBで申し込めた教習所を訪問し「二種免許の教習を受けに来ました」と言うと、受付の人が怪訝な顔になりました。しばらく待たされた後、別室に案内されると、責任者と思しき人が恐縮した顔で現れ、「・・・申し訳ございません・・・。確かにWEB申し込みを受けたようですが、実は今、二種免許の教習は受け付けておらず・・・」と。

聞くと、二種免許教習はタクシー会社からまとめて請け負うだけで、個人対応はしていないのだそうです。どうやらWEBシステムに不備があり、間違って申し込みを受けてしまったようです。これで都内どこの教習所も受付をしていない謎が解けました。都内で取得できないとなると・・・。その話はまた別の回に書くことにします。
中須譲二
介護タクシードライバー
東京・文京区を拠点に車いすやストレッチャーでの患者等搬送を行う介護タクシードライバー。東京消防庁患者等搬送事業認定、介護職員初任者研修、運転2種免許。前職は出版社の編集。
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